🌏habitus の根底にある考え方 ーー持ち続けているーー
1 持っている、持ち続けている は、英語の表現では have という動詞で
表されるのはいいですね。
ただ、have はこうした持続の用法を持つだけでなく、
一回切りの行為、つまり 現在形 の持つ(また 過去形 had持った) を
表すことの出来る動詞です。
例えば、入ったあるレストラン でウエイター が近づいて来て
What would you have ? と聞く。
何になさいますか?
これは、上の have の二つの用法 のうち、後者の用法です。
2トマス・アクィナスが 「神学大全」の第二部―第一パート 第48 問以下で
始めます habitus についての考察に関して
先ず、強調すべき事は次です。
Habitus とは持ち続けているを表している。
しかも ただの持ち続けているではない。自己を持ち続けている
se habere が、トマス、ハビツウス概念 の大切な意味です。
3 前に述べた事が有ります。
続くと持続は、同じような言葉ですが、厳密に考えた場合には、
区別されます。
例えば、ある工事が続いている、しかし、工事が完了してしまえば、
そこでの続くが無くなる。
ところが、ひとの人格的なものに関しては、そのひとが
死ない限り、つまり在命中は持続という
言葉を用いるべきだと考えます。
続くが、外面的な世界を表すのに対して、持続は基本的に
人格や人格的な世界を表します。
注意すれば、今日的には法的な人格・法人としての会社、そして
国家や社会の在り方、特にそれらの価値的な在り方を指す表現として、
『持続可能な』という言葉を新聞やネットで 良く見かけます。
こうした表現は、恐らくトマスの habitusから来ていると推測されます。
4 ハビトゥスが、自己を持ち続けることだと言う時、
今上で述べている持続という言葉と完全に重なります。
そして、次回の考察で、ハビトゥスの上の理解が、
その語源に当たる、アリストテレスのヘクシス
hexis (性向) を包み込んでいることに触れます。
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