1戦争末期に福岡 百道の刑務所に入れられた吉田敬太郎は
自分の命が短いことを知る。もともと、浄土真宗の壇家に
育った吉田は死を覚悟する。
死の準備をするのである
ところが、刑務所から借り出した本の中に聖書があった、
この聖書に深く影響を受けていくのである
そして、彼は悟るのである。
自分が生きているのは他でもなく、神のちからのお陰である
刑務所の地獄のような空間の中 吉田敬太郎の魂は、むしろ
平穏なものに変わっていく
2 汝復讐することなかれ とは、刑務所の極限の状況のなかでこそ、生まれた言葉である
だが、汝とは誰を言うのか。
汝とは、自分を苦しめ、死の苦しみに追いやっている人びとのことではない。むしろ、正反対だ。
汝とは、自分自身のことを言ってるのだ。
吉田敬太郎よ、あなたは復讐してはならない、逆に、
彼らを許してやりなさい
吉田は、自分自身と和解することを勧める言葉を
吐くのである
3 1945年末期の六月、福岡市も爆弾投下による大被害を
蒙る。約40%の土地が焼野原となるのである
吉田敬太郎は8月15日をかなり過ぎた10月に出獄して、
晴れて釈放の身となる。
その彼に、遠い若松から数時間かけて、
彼の妻と子供が歩いて会いに来るのである
何年か後に、牧師になること、若松市の市長に
なる話は省きます
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