2021-03-29

🌏habitus の根底にある考え方 ーー持ち続けているーー

 

 

🌏habitus の根底にある考え方 ーー持ち続けているーー

 

  持っている、持ち続けている は、英語の表現では have という動詞で

表されるのはいいですね。

ただ、have はこうした持続の用法を持つだけでなく、

一回切りの行為、つまり 現在形 の持つ(また 過去形 had持った)

表すことの出来る動詞です。

 

例えば、入ったあるレストラン でウエイター が近づいて来て

What would you have ? と聞く。

何になさいますか?

これは、上の have の二つの用法 のうち、後者の用法です。

 

2トマス・アクィナスが 「神学大全」の第二部―第一パート 第48 問以下で

始めます habitus についての考察に関して

先ず、強調すべき事は次です。

 

Habitus とは持ち続けているを表している。

 

しかも ただの持ち続けているではない。自己を持ち続けている

se habere が、トマス、ハビツウス概念 の大切な意味です。

 

  前に述べた事が有ります。

 

続くと持続は、同じような言葉ですが、厳密に考えた場合には、

区別されます。

例えば、ある工事が続いている、しかし、工事が完了してしまえば、

そこでの続くが無くなる。

ところが、ひとの人格的なものに関しては、そのひとが

死ない限り、つまり在命中は持続という

言葉を用いるべきだと考えます。

 

続くが、外面的な世界を表すのに対して、持続は基本的に

人格や人格的な世界を表します。

 

注意すれば、今日的には法的な人格・法人としての会社、そして

国家や社会の在り方、特にそれらの価値的な在り方を指す表現として、

『持続可能な』という言葉を新聞やネットで 良く見かけます。

こうした表現は、恐らくトマスの habitusから来ていると推測されます。

 

4 ハビトゥスが、自己を持ち続けることだと言う時、

今上で述べている持続という言葉と完全に重なります。

 

そして、次回の考察で、ハビトゥスの上の理解が、

その語源に当たる、アリストテレスのヘクシス

hexis (性向) を包み込んでいることに触れます。

 

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