2021-08-16

聖ベルナール 😃 誰で あ る の か としての 知る

 

経験主義というものを、中世ヨーロッパのなかに見つけるとしたら、どうだろう。

聖ベルナールは聖トマス・アクィナスの少し前に

活躍した人で、日本の歴史では『保元の乱1156年』の前に、

生きた。1090年誕生そして1153年逝去。

 

わたしは、長い間 、      to know    主題的に

論じたことがない。

 

今から、知るとは 何かを 論じたい。

 

1 自分を知ること

 

まず、あなた自身の 熟慮 (= 深く知ること ))から始めなさい。自分の事を無視して、他人のことをあれこれ考えない

ようにした方がよい。

 

『たとえ、全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、

何の益になろうか①』

 

あなたの知恵が どれだけ すぐれているとしても②、

自分を熟慮すること(= 深く知ること ))が欠けているならば、真の豊かな知恵に到達していないのだ。この 欠 落 が

真に重要で決定的なことであると 私は思う。

 

 

たとえ、あなたが宇宙のあらゆる神秘 ③ 、地上の果てに

有るもののこと、 天の高さと海の深さを知りつくしている

としても④、

もし、自分を忘れているならば、私には 土台のない所に

家を建てようとする⑤   建築者のようにみえる。

 

手に入るものは建物ではなく、 崩壊 であろう。

 

もしあなたが自分以外の所に何かを  積み上げられる

としても、それらははかねく、いちじんの風に吹き飛ばされて

しまう塵の山であろう。

 

そう、自分自身に立ち返っていない人は、知恵者と

呼ばれる値打ちはない。 真の知恵者はまず第一に、

自分が   誰であるかを知っているので

なければならない➅

 

秋山知子 稲垣良典 共訳 聖ベルナール小伝   教文館 

104頁―105

引用①②➂④⓹⑥  は次回の記事を お待ちください。