2022-11-04

❔ハビトゥスの判り難さ  続ハビトゥス探究の始め6👐

1 ドミニコ会のガリグ ラグランジュ 註1)が 「理解し難い」と言った
トマス の habitusの概念を、一度だけ
去る7月にわたしのBlog掲載時、habitus から dispositioを眺める
仕方で、言及したことが
ありました

それじぁ  今度はdispositio から
habitus へ視線を向けてみたら
どうなるのでしょうか?

2 そのラグランジュの英訳本は
habitus を英語のhabit と
訳していました。

最新の翻訳(インターネット訳)の
University of Notre Dame 版 註2)
でも 、habitus を habit と
訳しています。2022年に神学大全
の完訳したばっかしのものです

わたしがそれらの訳が良くないと
思うのは、前に述べたように、
行為主義的な意味でしか使われ
ない 英語のhabit には「存在」・
「魂の存在」の視点が欠けている
からです(これから先意識的に言及
します)

3 これに対して、イギリス
ドミニコ会から 出ている
神学大全 の訳で、
アントニィ ケニィ Anthony Kenny
は、彼の翻訳担当の(49問ー54問)
の一冊(全60巻のうちの第22巻)を
Disposition for Human Acts と
いう題名にしています

4 確かに 英語の habit に見出される
習性、癖という行為主義的な
意味を避けるだけでなく、
トマスのハビトゥスの reality を、
大切にしていて、その点では
良い題名だと思います

実に、トマスのハビトゥスの
reality とは、この前の前回に述べた 

「むしろ、トマスのhabitusについての考察の端緒は、4つの質のなかでの 第一の質である diathesis と hexis の両方を含むものとして、しかも diathesis
に力点に置くものとして現れて来ます」

の他に、ないからです

5 次回、判り安い比喩を使って、
dispositio, habitusをより易しい
理解にしようか、と考えます


❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇
註1) Beatitudo A Commentary
on St.Thomas Theological Summa,
Ⅰa Ⅱae. qq.1-54 by R.GARRIGOU
-LAGRANGE, O.P.
translated by PATRICK CUMMINS 
p.339  

註2) New English translation of
Thomas Aquinas ′s Summa Theologiae by Alfred J . Fredoso
University of Notre Dame
Pars Prima-Secunda


💣前回の誤りです。3つありました

💚トマスの habere の哲学2💚
5 (12行目)  ははある→ ある
6 「反分有的な」な→「反分有的な」
7 「メタィジカ」→「メタフィジカ」

💣💣















   

   





 
    

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