2023-01-12

一周忌を前に

1 もうすぐ、稲垣良典先生の一周忌だ。

稲垣先生は 2022年115日に亡くなられた

 

2 福岡県宗像市の御自宅で開かれていた

トマス・アクィナスの読書会は、

信じられない程、長く続いた

 

始めは、神学大全 第二—一部の ハビトゥス論

であったが、最後は、第二—二部の冒頭の

信仰論《信仰 愛 希望 の一つとして》の

最初の問題の途中で中断してしまった

 

3僕は事情があって、10年程、読書会を欠席した

 

会に復帰した年に恩寵 gratia論が始まり、

不思議な気持ちだった

 

神学大全の日本語での完訳が、

稲垣先生主導により創文社から

最後の一冊が出る

 

長い歴史を持つが、中世の哲学研究という

視点で見ると、ヨロッパ、アメリカの研究に

はるかに見劣りする日本100年足らずの現状

 

ところが、その時、ドイツでは完訳は出てなかった

 

如何に素晴らしい出来事か、解るだろう

 

4 読書会は晩年になっても、出席者が減らなかった。

八名程度の出席がコンスタントにあった。

会の運営を委ねられた西南学院大学神学部

教授だった片山先生に感謝の言葉を

述べたい

 

稲垣先生が南山大学から九州大学に移られた

時に、一番弟子であった荒井先生は東京から

年一度は駆けつけて下さった

 

思えば、すべてが奇蹟のようでもある

 

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