2020-06-14

様々な文化がある    時間と時  五回目

🗻

1 文化と呼ばれるものがたくさんあります、このことをどう説明するのか?

例えば、企業文化と呼ばれるものが有ります。ある何らかの共同体の性格と
その持続的性格を考えますと、約15年から約35年と言った何処か限られた
時間の中での『文化』と言うべきでしょう。

コロナ禍の影響だったのか(その前から経営が悪化していた?)、レナウンという
コートで有名だった会社が五月に倒産しました。
アラン ドロンが会社の特定商品のコマーシャルの中で
 C'est  l’elegance !  と昔、言っていました。
しばらく、会社名を聞かなくなっていましたが、中国系の会社に
系列化されていたみたいです。

2 いま挙げています企業文化に対して、共同体の性格がより強く、また
持続的な性格がより大きいものが有ります。

県(州)、国や言語等々が浮かんで来ます。

これから採り上げる国の文化は、共同体の証として『わたしたちの』性格を
強く持っているだけでなく、その持続性が伝統的と呼ばれることがある程の
長さを保持しています。


3 ところが、改めて世界に目を遣って国の文化を考えますと、簡単では
ないことに気づきます。

判り易さを第一にし、オリンピックで掲揚されます国旗を巡る苦労話を
紹介する仕方で国の文化を考える、これが今日の考察の眼目です。

日本で開催された1964年のオリンピックの前の準備段階で、23歳で
オリンピック組織委員会の国旗担当専門職員になった御方の話しを
そのまま、引用紹介します註)。

現在79歳で NPO法人「世界の国旗・国歌研究協会」代表の
吹浦忠正氏がそのひとです。


4 国旗のデザインと旗布が決まり、試作品を作る、そうして組織委員会は
各国にその承認を求める。

この承認を求める段階での苦労話が以下である。

🇨🇮🇨🇮🇨🇮🇨🇮 🇨🇮🇨🇮🇨🇮🇨🇮🇨🇮 🇨🇮🇨🇮🇨🇮🇨🇮 🇨🇮🇨🇮🇨🇮🇨🇮 🇨🇮🇨🇮🇨🇮🇨🇮

  一番苦労したのは、アイルランドです。アイルランドの国旗は、
  緑、白、橙の3色からなる(旗棹側が緑)。
  この緑の色にどうしても納得してもらえないのです。

  見本を送ると『もっと緑を淡く』と言うので、再度送ると、
 『もっとグレードを高く』。

  7回目になっても承認を得られません。

  残り1年、半年ーーーーーーと開会式は迫り、焦りが募る中、7回目の返信には
 『緑は私たちの誇り。それを忘れないでほしい』とありました。

  考えてみれば、アイルランドは実に森の美しい国。緑の深い国です。そこで、
  思い切って緑を手染めにしてみると、8 回目にしてようやく OK が得られたのでした。

  それが開会式のわずか 10 日前のこと。ーーーー途中一部省略ーーーーーーーーーーー

5  今考えれば、アイルランドはケルト人の国ですが、長らくイギリスの
  支配下にありました。彼らにとって、国旗の中で唯一ケルト民族を代表しているのが
  緑です。あの”こだわり" には、国旗に込められた民族の誇りや象徴性が
  端的に表れていたと思います。


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註)週刊新潮 2020年 6月11日号 64ページと65ページを参照
    








 

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