2020-06-01

トッドさんがコロナ禍を分析したら

🗻

1 これまで続けて来ています自分のエッセイの基本的なコンセプトは、
あなたが何かを考える時、まず浮び上がっている言葉を二つに分けなさい!でした。

二つに分けて、自己の考察に取って本来的なものを絞り込む、絞り出す。
つまり、本来的なものと非本来的なものを別ける。

これが自分のエッセイのスタイルでした。

ところが、現在、世界中の国々がその対策に苦しんでいると診られる
新型コロナウィルス肺炎に関しては
二つに分けて考えるちからが自分にありません。

2 今日、新型コロナウィルス肺炎に依る死者の意味を二つに分けて
考察出来る、フランスの歴史人口学者であるトッド(Emmanuel Todd)さんを
見つけました 註1)。

3 トッドさんの考察のポイントは、人口10万人当たり何人死んでいるか、
その数を基準にして考えるというものです。


すると、先進諸国の感染状況から、「重度」の国々と「軽度」の国々に
二部出来ます。

重度で最も悲惨なのが(人口10万人当たり死者の数が)  80人を
超えたベルギー。
スペイン、英国、イタリアが 50人台で続き、
フランスは 40人ほど。
米国は約30人です註2)。

4 これに対して、軽度の国々とは、(人口10万人当たり死者の数が)1人以下である
韓国、日本、シンガポールなど。
コロナ禍の猛威に震えた欧州にあって約10人のドイツ、
10人を切るオーストリアは例外的に軽度と言えます。

5 こうした重度と軽度の違いは、トッドさんによれば、文化人類学的に説明出来る。

重度の国には個人主義とリベラルの文化的な伝統があるのに対して、
軽度の国には権威主義か規律重視の伝統があります。
中国もそうです。

概して権威主義・規律重視の国が疫病の制御に成功しています註3)。


註1)読売新聞  5月31日 6面の記事 『コロナ禍で見えたこと』 参照
註2) 米国の場合、州によって大きく異なる。北東部は重度です。ニュウヨーク州は
   150人にも及ぶ、とトッドさんは言っています。
註3)新聞の記事は、より本質的な考察に入りますが、カットしています。
   70歳以上の高齢者の死者の数が極めて多い、とありました。
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